Nicht “Nochmal”, sofort “Nein”!

私が渡独して、間もなく7週が経とうとしています。
私はフランクフルトが所在するヘッセン州に住んでいますが、今日はバイエルン州まで行く用事がありました。そのためにフランクフルト中央駅(Frankfurt Hbh)を利用し、お昼時だったので、駅構内の売店でパンを買いました。その時に起きた出来事についてお話しします。

フランクフルト中央駅は、朝から晩まで、お金をくれと強請る女の子たちや、ベビーカーに子供を乗せて、ウクライナから来てお金がないのでお金をくれと言ってくる女性、そしてゴモゴモ話しながら、何かを欲している男性がウロウロしています。1か月前に見た顔ぶれが、まだウロウロしているので、本当に欲しているというよりは、彼らにとっては狩場でしかないんでしょう。

そして、今日は立ち寄ったパン屋で会計している際に、ある男性に横からゴモゴモと話しかけられました。私はよく聞き取れなかったので、”Nochmal”(もっかい言って)と、訊くそぶりをしてしまいました。それでも言っていることは分からなかったのですが、どこか怪しい感じがしたので、”Nein”(いいえ)と答えました。それでその男性はどこかに行ってしまいました。その後、パン屋の店員さんが、普段ならコイントレーにお釣りをぽいっと置いて終わりのはずが、慎重に私にお釣りが外に見えないように手渡しながら、”Nicht “Nochmal”, sofort “Nein”! “(もう一度なんて言っちゃダメ!すぐに、いいえと言いなさい!)と、言いました。ああ、これがフランクフルト中央駅で厄災に巻き込まれずに過ごす知恵なんだな・・・と感心しました。重要な注意喚起をしてくださった店員さんには感謝しかありません。

日本ではお金をくれと言われた経験が無かったため、一体どの様に接すれば良いか理解していませんでしたが、今日、注意されてようやく理解しました。今日その後、あるドイツ人と思われる女性が駅構内のATM利用中に、ベビーカーを押す例の女性に声をかけられている場面を偶然目撃したのですが、その際に、手であっちに行けとジェスチャーを送っていました。なんだ、それだけで良かったのか・・・と、どの様に接すれば良いか少し悩んでいた自分が馬鹿らしくなりました。

私はフランクフルト中央駅北側すぐの繁華街に2週間近く滞在していましたが、そこは外を歩くのが怖いくらい治安の悪い地域です。目の前で薬物取引をしていたり、四六時中パトカーがパトロールしていたり、ホームレス(を騙る人?)たちがウロウロしていたりと、おっかない場所でした。目の前で人が捕まる光景や、路上でホームレス?が仏になってしまっている場面を目にしたり、実際私自身もスリに遭いかけたりすることもありました。フランクフルト中央駅以北、1kmくらいはホテルやATMの利用、一人での散歩は全くお勧めしません。

フランクフルト中央駅で乗り換える必要がある場合は、プラットホームで電車を待つのを強くお勧めします。危ない人たちの大半は人通りの多い売店付近をウロウロしているので、プラットホームは比較的安全です。(稀に本当のホームレスの方が換金可能なペットボトルや空き缶をくれないかと尋ねてきますが、決して現金をくれとは言ってきません。)

また、駅だけではなく、Sバーンの1,2,8,9番に、おそらく無賃乗車で乗っている、ホームレスを騙り、現金を乞うおきまりの男性が居ます。電車に乗るのにお金が必要なのに、その電車の中でお金が無いから欲しいと言ってくるのは意味が分かりません・・・(私が乗っている区間の1日券が13€ほどですが、13€あれば、1週間以上分の私の朝食が用意できてしまいます・・・。)

私はどこから見ても西洋人には見えない見た目なので、明らかに現金を求められていると認識できる場合は理解できないふりをして無視しています。(今回は何を言っているのか聞き取れなかったのでたまたま聞き返してしまいました・・・。)

今回は危険なドイツの側面についてお話ししましたが、決してドイツは危険ばかりではありません。一部を除けば、優しくて暖かい人は沢山居り、街並みは綺麗で自然と人間の生活の調和が日本よりも優れていると感じさせられる素晴らしい国です。(いずれ、ドイツで感動したことについても記事にします!)

この記事がドイツ旅行を安全に楽しむ一助となっていれば幸いです。

学生時代に、群馬大学メサイア管弦楽団・合唱団でチェンバロに出会ったことをきっかけにチェンバロを始めました。現在は地域を超えて様々な人にチェンバロの魅力を届けられるよう研鑽に励んでいます。

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