ドイツで家賃を抑えて住むには、WGというシャアハウスのような物件に住むのが一般的です。”ドイツ WG” などと検索すると、ドイツの家探しは非常に困難だ! という、ネガティブな情報ばかり目に留まります。人によっては2か月もホテル住まいをしなければならないとか・・・
しかしながら、私は渡独してから家探しを始め、運良く?1か月後にはWGに入居することができました。今回は、その家探しの過程について、紹介しようと思います。
家探しをナメていた・・・
私は大学卒業後に、渡独するまでの5年間でマイナンバーカードが3枚目に突入しようかというくらい引越をしてきました。家を探す際は、まずは住みたい地域を探して、不動産屋に、希望の間取りや設備、家賃、近隣の施設などを伝えて、いくつか物件を紹介してもらい、内見して、気に入ったら審査(職に就いていれば数分で問題なく終わる)を経て入居に至ります。渡独するまで、家探しについて何の情報も収集していなかったので、日本の家探しと同じくらいのつもりで来てしまいましたが、当然思い通りにはならず、苦労することもありました。
特に苦労したポイントとしては、WGの殆どは仲介業者(不動産屋)を介入せず、家主との直接契約であるという点です。日本だと仲介業者の審査にさえ通れば、たいていの場合はそのまま入居できますが、ドイツでは家主や、WGの場合なら将来の同居人たちに気に入られる必要があります。WGのネット広告や掲示板などを通して家主に直接メールや電話をし、自己アピールをして内見のアポを取り、さらに他の入居希望者よりも気に入られることで、初めて契約の話に移ります。ドイツ語が全然話せない私にとっては、少し大変な作業でしたが、ドイツ語勉強の良い機会だと捉えて前向きに取り組んでいました。
実際にやったこと
他のWebサイトにも記載があるように、まずは少しでも良いと思った物件の問い合わせ先にとにかくメッセージ(メール)を送ります。この際、自分がどのような人物か、いつから住みたいかなどを細かく書きます。ここで、安心できる文章を書ければ、内見までスムーズに進みます。(私は8通ほど送って、内見は3件行いました。)
内見の3件の内訳は、不動産業者と行ったもの、物件管理人と行ったもの、未来の同居人と行ったものです。このうち不動産業者と物件管理人は、内見前のやり取りで、ある程度私のことを測ってもらえたようで、内見後に住みたいというメッセージを送ればすぐにでも住めるというように言ってもらえました。しかし、未来の同居人と行った内見は、実際に私と会ってみて、どのような人間かを測りたいという意図のもと行われたもので、大変緊張感のあるものでした。この物件は丁寧にお断りされました(笑))
内見後は、すぐにお礼メールと、住みたいという意思を伝え、あとは契約するだけです。契約書は、以前住んでいた名古屋で偶然知り合ったドイツ語圏から来た留学生に確認してもらうことができました。契約書は重要な部分の殆どが手書きで、大変達筆だったので私には読むことができませんでした・・・
契約の後は初月の家賃と敷金を支払います。振り込むよう指示されたものの、私はドイツに口座を持っていませんし、日本からの送金には非常に時間を要します。そこで、ドイツの銀行窓口に現金を持っていき、入金を試みましたが、額が2.500€を超えていると、その出資元証明が必要だということで、これもすぐに準備できなかったので断念しました・・・。最終的には、大家さんに直接現金手渡しの提案をし、それをOKしてもらうことで支払うことができました。
そんなこんなで、4月初旬に渡独し、1か月後の5月1日には入居ことができました!
入居するにあたり、色んなWebサイトを参照しましたが、内見3件でいけた!という記事はなかなか見ないので、すこしでも不安を和らげることができれば幸いです。(ただし、ナメてはいけません!(笑))
不動産屋の活用もアリ
もし家探しをしている方が居れば、1つ朗報があります。それは、WGを扱っている仲介業者(不動産屋)が居るということです。たとえば、wg-gesucht.deの広告を見ていると、たまに認証済みユーザーが物件情報を掲載していることがあります。そのユーザーのページを確認すると、地元の不動産業者であることがあります。ドイツには、支払い能力を過去の物件に対する支払い履歴を用いて審査する、SCHUFAというシステムがありますが、ドイツの不動産業者も日本のそれと同様、SCHUFAを用いた審査があります。渡独したては当然ドイツでの家賃支払い履歴などありませんから、SCHUFAの証明なんてできません。しかし、「もしお望みなら敷金として〇か月分余分に支払う」などと、伝えるとSCHUFAの提出免除を受けられる可能性があります。私はこの提案によって、1つ物件を確保することができました。が、その他に気に入った物件があったので、今回はお断りすることになりました。
過去の自分にアドバイス
もし私が過去の自分にアドバイスができるとすれば、3点だけ伝えたいことがあります。
- 物件は月の始め(1日)から入居可能なことが多いので、それを念頭に渡独計画、ホテル(ホステル)の予約をすること。
- ドイツの交通網、特に電車については早めに理解し、目的地まで電車で通える範囲を早めに絞ること。町の中心部から離れれば、静かで安い地域の、穴場物件が見つかるかもしれない。
- WGをやっている不動産屋は早めに見つけておくべき。「最終的には、多少高くても不動産屋で何とかなる!」と思えること、つまり家が決まらない不安から解放されることはとても重要。
さいごに
私にとって、不動産屋の活用というオプションはとても貴重な出会いでした。あまり現地の不動産屋を活用しました!みたいな記事は見ませんが、心の安定剤としてこのオプションを知っていることは非常に重要だと思います。また、電車で通える範囲を検討するというのは私にとって重要な教訓でした。範囲を絞れば絞るほど、当然家探しの対象物件が減り、結果として難易度も上がることになります。逆に、範囲を広くすればするほど家は見つかりやすくなるわけですあら、知らない土地でも早めに交通網を理解することは重要だと学びました。
この記事が、WG探し中の皆様(そして未来の自分)の役に立てば幸いです。